10月15日21時より、渋谷ヒカリエ Hikarie Hall Aで、yoshio kubo 15 S/S Runway showが開催される。最新コレクションの発表を直前に控えるなか、ランウェイショー開催に至るまでの準備や、今回のショーの見どころなどについて、デザイナー久保嘉男が紹介する。
ファッションショーというと、デザイナーが直前まで徹夜で服づくりをしているようなイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、ヨシオクボでは毎シーズン、東京でのコレクション発表前にパリで展示会をしているので、実は服づくり自体はショーの1ヶ月ほど前にはほとんど終わっているんです。
僕自身、洋服を完成させてから、一度見直す時間というのを大切にしているところがあるし、ショー形式でコレクション発表する上では、つくった洋服をどういうルックで見せていくかというプランニングの部分に力を入れていくことも必要だと考えています。また、ショーの演出をして頂く辻井(宏昌)さんと、スタイリストの望月(唯)さんにも早い段階で洋服を見せられるので、演出や音楽について一緒にイメージを膨らませていくことができます。
ショーを開催するにあたっては、洋服をつくるだけではなく、演出、スタイリング、ヘアメイク、モデルのキャスティング、フィッティングなど、数えきれないほどのミーティングが必要になります。各スタッフと綿密に打ち合わせを重ねて本番に臨むまでの流れは、劇団が舞台で作品を発表するまでの工程に近いような気がします。
僕たちにとってショーというのは、単にモデルが新作の洋服を着てランウェイを歩くだけのものではなく、それ自体をエンターテイメントとして考えているところがあります。もちろん洋服が主役ではあるのですが、同時にそれはひとつの要素でしかないとも考えていて、そこにいかにプラスの要素を入れていけるかということを大切にしています。
ショーを発表し始めた頃は、何かミスがあるんじゃないかという心配から、1週間程前から緊張が続くような状態でしたが、ずっと同じチームで続けてきたこともあり、最近はそうした緊張はなくなりました。とはいえ、前日まで自信を持って準備をしてきているにも関わらず、やはり当日はいつもより早く目が覚めてしまうし、心地良い緊張感の中で時間が流れていきます。当日は、リハーサルの時間もそう長くないなかで、演出の辻井さんを中心に、スタッフ全員で音楽やライティングなど見せ方の部分について、ギリギリまで意見を出し合って本番に臨んでいます。
今回のショーでは、「Fishermans Athletics」をテーマにしたコレクションを発表します。詳しい内容はまだ言えませんが、これまで見せたことがないようなコーディネートにチャレンジをするつもりです。それぞれのモデルが、普段から着慣れている洋服を身にまとっているように見せることで、雰囲気のあるランウェイにできればと考えています。また、音楽はUFOの松浦俊夫さんが担当し、シークレットゲストの登場も予定していますので、楽しみにしていてください。
The End