Friends02: Tadashi Mochizuki Interview Part.1

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yoshio kuboにゆかりのあるクリエイターたちを紹介していく「FRIENDS」。今回登場するのは、yoshio kuboのランウェイデビュー以来、ショーのスタイリングを担当し続けているスタイリストの望月唯氏。自身のブランド「HOWL」の運営など多岐に渡る活動を展開している望月氏が、デザイナー久保との出会いや、ショーに対する意識などについて語ってくれた。

久保:望月さんと一緒に仕事をするようになったのは6年くらい前からですよね。たまたま見た「HUGE」でメチャクチャカッコ良いページがあって、そこになんてことのない僕のノースリーブのカットソーも使われていたんです。その時に凄くカッコ良い人がいるなと思ったのが最初で、そのすぐ後に、以前のうちの事務所のそばを歩いていたら、いきなり望月さんが車から降りてきて、自販機でジュースを買っていて(笑)。その時はまだ面識はなかったんですけど、これは何か巡り合わせなんじゃないかと。それでデビューショーの時にスタイリングをお願いしようと思って声をかけたら、展示会に来てくれたんですよね。

望月:毎シーズンルックブックが届いていたし、ブランドのことは以前から知っていて、マネージャーとかにも「この人面白いよね」という話はしていたんだよね。声をかけられる前から、いつか一緒に仕事をするような気もしていた。

久保:その話を最初に聞いた時は社交辞令だと思ったんですよ(笑)。でも、あるブランドのショーを見に行った時にたまたま共通の知人と会って、そこでも同じような話を聞いて、本当だったんだと(笑)。

望月:そうそう。まだ面識がない時から、この人は自分と感覚が近いかもしれないと感じていたんだよね。

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望月氏との初めての仕事になったyoshio kubo 09S/S Collection。

久保:最初のショーの時に、僕がイメージしていたものとは全然違うカッコ良いスタイリングを見せてくれて、さすがに凄いなと思いました。その時は、白とベージュだけで構成したいと考えていたんですけど、望月さんから最後に黒を入れた方が締まるんじゃないかと提案されて、まさにその通りになったんです。それまで僕は展示会用の撮影などでもスタイリストは入れていなかったんですが、この時に初めて、やっぱり外部の人たちとやっていかないとダメだなと思ったことを未だに覚えていますね。でも、望月さんは常々、あくまでも久保くんのショーだからということを言ってくれていて、その一歩引いたところもさすがに大人だなと。

望月:自分のセンスがあまり前に出すぎてしまうと、ただのスタイリングショーになっちゃうからね。それはあまり良いと思わないし、やっぱり久保くんが立ってなんぼだからね。あくまでも補助的な役割でバックアップして、久保くんの服をどれだけカッコ良く見せられるかというのが自分の仕事だと思ってる。

久保:本当にうれしいこと言ってくれますね。望月さんはいつもショーの時に、いかに飽きさせないかという話をされていますけど、僕が自分だけでやっていたらすぐ飽きられるだろうなといつも思うんですよ(笑)。

望月:自分も色んなショーを見に行っているけど、良いショーというのは最初から最後まで飽きさせないし、拍手喝采が起こるんだよね。逆につまらないショーはどうしてもダレるところがある。だから、1から30までをいかに飽きさせずに見せるかというのは常に考えてるよ。

久保:色んなスタイリストさんがいるなかで、望月さんと出会えて本当に良かったなと思っていますよ。

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望月:久保くんとは公私にわたって付き合いがあって、普段から飲みに行く仲だけど、やっぱり気が合うんだよね。業界の中でもそんなに気が合う人はなかなかいないし、プライベートで飲みに行ったり、ご飯を食べたりするのは久保くんくらい。ショーの時とかもよく一緒にご飯を食べに行ったりして、それもひとつの楽しみなんだよね。

久保:こういうイベントごとというのはブランドとしても凄く重要なんですよね。ショーというのは会社のスタッフがガッと集まって取り組む結構大変な作業じゃないですか。右も左もわからないまま始めたけど、いまはスタッフの動きもかなり良くなって、スムーズに進められるようになりました。望月さんも含め、回を重ねるごとに研ぎ澄まされていくというのは、同じチームで続けていることの良さだと思います。

望月:演出の辻井(宏昌)くんも含め、久保くんのやりたいことをすぐに3人で共有できるようになっているよね。初めての人とやる時は、こっちも相手が何を考えているんだろうとか気を使ったりするけど、久保くんの場合は作った洋服を見て、イメージを聞いただけですぐに共有できるんだよね。

久保:ヨシオクボのショーのチームは、望月さんが一番年上で、その2つ下が辻井さん、さらに2つ下が僕というバランスで、これが成長をしていく上でもちょうどいいなと感じています。仮に望月さんのように有名なスタイリストでも年下の人やるのと、自分よりも長くこの世界を見ている人とやるのでは全然違うなといつも感じますね。

Tadashi Mochizuki(eightpeace) Homepage: eightpeace.net
HOWL Homepage: howl.jp

to be continued…