先日、アクセサリーブランド「HEAVY&CO.BLACKSMITH」とのコラボレーション・ショーとして開催されたyoshio kubo 2016-17 A/W Runway Show。これまでとは異なるアプローチを取ったショーに込めた思いについて、デザイナーの久保自らが振り返る。
今回のショーは、アクセサリーがメインになるコレクションにしたいという思いからスタートしました。その中で、架空のアクセサリーブランドをはじめにつくり、そのブランドとコラボレートするという設定を思いつきました。まずはじめにアクセサリーをつくり、そこからコレクションを組み立てていくというプロセスだったので、はじめに洋服ありきで、そこにアクセサリーや付属品をプラスするという通常のコレクションのあり方ではなく、アクセサリーや付属品に洋服がぶら下がっているというイメージでつくっていきました。その中で、複数のアクセサリーを重ねづけすることで、新しいスタイルを提案できればと考えていました。
自分の中で、アクセサリーというのは「派手」の代名詞で、それらをあえてジャラジャラで重ねづけをすることで、振り切った表現にしたいという思いがありました。いつも以上に多くの色を使っていることも、同じような理由からです。ブランドを始めてからすでに10年以上が経ちますが、誤解を恐れずに言えば、これまでヨシオ クボは、ゼロからスタートした東京という場所で、いかに目立つことができるかということに重きを置いて、ショーを発表してきたところがありました。今回のショーに関しては、そうしたこれまでの活動の集大成ではないですが、その方向性を突き詰めたいという思いがありました。
先日、自分がファッションの仕事を始めたニューヨークに行く機会があったのですが、そこで自分が服づくりを始めた頃の気持ちや、ヨシオ クボを始める前に考えていたことなどを改めて振り返ることができました。それによって、これから先に進みたい方向、本当につくりたい洋服というものがクリアになってきたところがあります。次回以降のコレクションでは、自分の原点に立ち帰って、服づくりへの純粋な思いを表現していきたいなと考えています。