Perspective14: After the Show

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去る10月14日に、東京・渋谷ヒカリエ”HALL A”で開催された2016 S/S Runway Show。「Vintage & Modern」をキーワードに掲げたコレクションを、砂漠のジプシーをイメージさせる演出で表現したショーの舞台裏を、デザイナーの久保自らが語る。


今シーズンは、「Vintage & Modern」をキーワードに、革新的な要素と伝統的な要素を織り交ぜることをコレクションのテーマに据えました。ヨーロッパへの輸出が盛んだった時代の有田焼をはじめ、さまざまなヴィンテージ調のテキスタイルをつくり、それらを現代的なカッティングで表現しています。
もともとは、ヨーロッパのフリーマーケットのイメージから着想しているのですが、先日のショーでは、モデルの顔にスカーフを巻きつけるなど、砂漠のジプシーをイメージした演出にこだわりました。

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2016 S/S Collection

前回の15-16年秋冬コレクションが「砂漠で行われるスポーツ」をテーマにしていたことに加えて、演出の辻井宏昌さんやスタイリストの望月唯さんに洋服を見てもらった時に、ジプシー音楽が似合うんじゃないかという話が出たことから、今回のような演出になりました。
その中で、さまざまなジプシーバンドの音楽などをリサーチし、ショーではバンド演奏を入れることも検討したのですが、最終的には演出の辻井さんにオリジナルミックスをつくって頂くことになりました。

毎回ヨシオクボでは、ひと通り洋服が完成した後に、ショーのスタッフで集まり、演出面などを詰めていきます。今回も最初から砂漠のジプシーなどをイメージしたショーを考えていたわけではないんです。ただ、僕らがショーにおいて、コレクションのコンセプトを伝えること以上に大切にしているのは、エンターテインメントとして素晴らしいと感じてもらえる完成度の高いランウェイをお見せすることです。何よりもまずは、より多くの人たちが集まる場で、いかに大きなインパクトを残せるかということが重要だと考えているんです。

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2016 S/S Collection

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