毎シーズン、デザインや印刷、素材にこだわったインビテーションやDMを作成してきたヨシオ クボ。10月に開催される2016S/S Collectionのランウェイショーに向けて、インビテーションのデザインを構想中の久保が、インビテーションやDMに対するこだわりについて語る。
いま、次回のショーのインビテーションのデザインを考えているところなのですが、ブランドを起ち上げて以来、インビテーションやDMのデザインには常にこだわってきました。ヨシオクボを始める前に働いていたニューヨークのブランドでも、インビテーションやDMのデザインを考えるのは好きな仕事でしたし、一時期はこういうことを仕事にしたいと考えていた時期もあったくらいです。
初めてのランウェイショーとなった2009S/Sシーズンは、鉄板にショーの日付やブランド名を刻印し、真空パックしたインビテーションをつくりましたし、その後も、透かし印刷を入れた架空の国のお札風のものから、焼け焦げた質感を印刷で再現したものまで、シーズンテーマに合わせて、趣向を凝らしたインビテーションをつくってきました。
(左)2010 S/S Collection 、(右)2009-2010 A/W Collection
バイヤーやジャーナリストには、毎シーズン膨大な数のインビテーションやDMが送られてきます。その中で、紙切れ一枚だけを送りつけても、誰も見に来てくれないだろうと思っています。自分の性格的にも、いかに目立つことができるかということはよく考えますし、それはショーを始めてからすでに10数シーズン経っているいまも変わりません。インビテーションを受け取った時のインプレッションというのは、インターネットがこれだけ普及したいまでも、絶対になくならないものだと感じています。
海外で展示会を始めた2012S/Sシーズンからは少し趣向を変え、シンプルなデザインを基調に、紙質や色で個性を出すようになりました。インビテーションは上品なイメージでまとめ、サプライズはショー当日まで取っておくという意図があったのですが、最近はまた少しずつ意識が変わりつつあります。次回のインビテーションでは、コレクションのテーマと紐付けながら、多くの人が心躍るようなものをつくりたいと考えているところです。