Perspective07: Sports Textile

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先日、「スポーツエレガンス」をテーマに発表されたyoshiokubo 14-15A/W collection。今回の「Perspective」では、最新コレクションの世界観を表現する上で重要な役割を果たしているテキスタイルについて紹介する。


14-15 A/Wは「スポーツエレガンス」をテーマにしていますが、僕はいつも他の人があまり考えないような自分なりの視点から服づくりをすることを心がけていて、今回もスポーツというテーマをあえて間接的に表現しているところがあります。
特にテキスタイルについては、よく見るとスポーツのモチーフが認識できるようなデザインになっています。今回最初につくったバスケットボールの写真をベースにしたテキスタイルをご覧頂くと、そのイメージがだんだんわかってもらえるかなと思います。

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サッカー選手がスタジアムに入ってくる時に見えているであろう照明の光をイメージしたチェック柄(左)や、観客席に座っている大勢のオーディエンスの写真を、原型がわからなくなるまで加工したダイヤモンド柄(右)などもデザインしています。アスリートが見ている世界を想起させるようなデザインによって、着ている人自身も体を動かしたくなるような洋服をつくりたいという思いがありました。

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それぞれのスポーツにはユニフォームがありますが、その起源を知りたくて、スポーツの歴史も紐解いていきました。特にボクシングやフェンシングなどは最初から競技としてあったわけではないでしょうし、どの段階からスポーツになり、ユニフォームが着られるようになったのかということに興味があったんです。今回は、その時に調べていったクラシックなスポーツをモチーフにしたテキスタイルもつくっています。

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また、サッカーや野球、バスケットボールなどでは、それぞれのチームがトレードマークのようなものを持っていますが、それを意識してデザインしたのがこの鹿のモチーフです。それを単にプリントするのではなく、ジャガードで表現しているのも自分たちならでのアプローチだと思います。

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もともと僕は、スポーツテイストのデザインを得意にしてきたところがあるのですが、ブランド10年目にして改めて自分の強みを活かした表現に取り組んでみたいというのが今回のひとつのテーマでした。スポーツをそのまま表現するのではなく、色彩やテキスタイルなどを通してファッションに落とし込むということが自分たちの仕事だと思っていますし、それを感じ取って頂けたらうれしいですね。

The End