Source01: Muhammad Ali

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デザイナー久保嘉男が、これまでに影響を受けたものや、いま注目しているトピックなどを取り上げる「Source」。今回は、その人間像に魅せられ、中学時代から追いかけてきたモハメド・アリについて紹介します。


中学生の頃、ボクシングのマイク・タイソンが人気だったんですが、友達の中に歴代のヘビー級チャンピオンのビデオを集めているヤツがいて、彼からモハメド・アリという凄いボクサーがいたということを教えてもらったんです。アリのボクシングスタイルは、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と言われていて、しかも、かつてアントニオ猪木さんと戦ったことがあるなんていう話を聞いて、どんな人なんだろうと興味を持ったんです。それで色々調べるようになったんですが、これまでに残してきた名言などを見ても、謙虚さのかけらもないような言葉ばかりで、それが凄くカッコ良いんですよ。

これまでにアリの本は結構読んできたんですが、もともと僕は伝記をよく読むんです。伝説を残してきた人たちの背景にはどんな人生があったのかということを掘り下げて分析するのが大好きで、例えば、マイケル・ジョーダンや長嶋茂雄さんなんかもそうですが、彼らにはアスリートとしての能力だけではなく、人を喜ばせるという資質があるんだろうなと思うんです。

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モハメド・アリの試合のチケットやフライヤーなどが原寸で入っている凄く面白い本。いまでもたまに見ています。

以前にニューヨークのスケボー屋から、モハメド・アリが左フックを打っている瞬間の写真がプリントされたTシャツをもらったんですが、それがあまりにもカッコ良くてさらにアリの虜になり、写真集なども色々集めるようになりました。ちなみに、そのTシャツは額縁に入れて実家に飾っています。
アリの写真には有名なものも多いし、映画もたくさん撮られていますよね。アメリカにいる時には、アリのドキュメンタリー番組がよく放送されていたんですが、「キンシャサの奇跡」と呼ばれている試合での相手を威圧する戦い方には鳥肌が立ちました。

実は、以前にundecorated MANでアリをモチーフにした洋服を密かに作っていたり、先日のyoshiokuboのショーで使ったスタッフカードも、マジソン・スクエア・ガーデンでアリが試合をした時のチケットをベースにしているくらい、アリには影響を受けていますね。

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The End